賃料増減額請求用語集

このページでは、賃料改定交渉の中で出てくる専門用語について解説を行います。

分かりやすさを優先して記述しますので、多少乱暴な記述が有ります点、ご承知おきください。

か行

継続賃料

不動産鑑定評価の中で、新たに契約する際の賃料である「新規賃料」に対し、賃料改定時の賃料を「継続賃料」と言います。

「現行賃料」と「新規賃料」の間で決まるのが基本で、「新規賃料」との比較において、賃料上昇期の上昇率・賃料下降期の下落率共にマイルドになるのが特徴です。

さ行

相当賃料

賃料増減額訴訟のなかで、裁判所が決定する賃料を「相当賃料」といいます。

上記の「継続賃料」は、建付け上はこの「相当賃料」を目指して導出されるもので、鑑定評価基準上は継続賃料=相当賃料となっていますが、現実的には当然差異は生じます。

差額配分法

「継続賃料」を求める鑑定評価の手法の一つで、「現行賃料」と「正常賃料(新規賃料)」の差額を求めて、その差額の内いくらか(配分額)を「現行賃料」に加減することで、「継続賃料」を求める方法です。

「継続賃料」の構造を端的に表す方法で、民民の賃料交渉では、ほぼほぼこの発想で賃料合意がなされるのが実情です。

実質賃料

不動産鑑定評価上の概念で、「支払賃料」(毎月実際に払っている賃料)に、一時金の運用益等を加算したものになります。

同じ月8万円の賃料でも、敷金礼金が0の場合・敷金50万円の場合・礼金50万円の場合に、実質負担額=大家さんの取り分は違うはず…という所から導き出された概念で、「実質賃料」で比較を行うことで、一時金の条件等が異なる場合でも、同列で比較が出来る、という建付けになっています。

新規賃料

評価対象について、新規で賃貸する場合に想定される賃料を「新規賃料」と言います。

尚、鑑定評価で出てくる「正常賃料」は、「新規でフツーに貸した際の賃料」を指しますので、一般的には「新規賃料」=「正常賃料」と思っていただければOKです。

スライド法

「継続賃料」を求める鑑定評価の手法の一つで、「現行賃料」に経済指標等から導き出した「スライド率」を掛けることで、「継続賃料」を求める方法です。

一般的な経済指標を使用する点で説得力はあるのですが、経済指標はマクロ的なものが多いため、対象不動産の存する地域の特性や、対象不動産及び当該契約の個別性を反映しがたいのがデメリットです。

また、「市場の実勢」と経済指標の動きがきっちりとリンクしていない場合も有るので、注意が必要です。

た行

直近合意時点

契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点を「直近合意時点」と言います。

賃料増減額請求権の発生要件は、大まかに言いますと、

  • 直近合意時点以降の事情変更
  • 契約締結時以降の特殊事情

の2つの視点から判断されますので、直近合意時点がどの時点で有るかを明確に把握しておくことは、賃料増減額請求において極めて重要です。

正直に言いますと、上記の定義は一義的に決まるものではなく、訴訟の現場等では様々な主張がなされるのが実情ではありますが、特に以下の2点については意識しておいて頂きたいところです。

  • 賃料改定等の現実の合意が無いまま、契約が更新→現行賃料を定めた時点が直近合意時点
  • 賃料を改定しない旨の合意がなされたとき→当該合意時点

※参考記事 ⇒継続賃料の『直近合意時点』決定は、実は難しい

賃貸事例比較法

「新規賃料」・「継続賃料」を求める際の鑑定評価の手法の一つです。

賃貸事例(成約事例)と対象不動産の要因比較を行うことで、対象不動産の賃料を求めようというもので、「新規賃料」を求める際には新規の賃貸事例を、「継続賃料」を求める場合には賃料改定事例を採用することになります。

実際の事例をベースにするので説得力は有るのですが、

  • 物件が特殊なものになると、成約事例を集めるのが難しくなる
  • 賃料改定事例は入手困難で、入手が出来ても比較が難しい

というデメリットが有ります。

ら行

利回り法

「継続賃料」を求める鑑定評価の手法の一つで、価格時点の元本価格に継続賃料利回り(直近合意時点の賃料÷直近合意時点の元本価格を基礎として判断)を乗じることで、「継続賃料」を求める方法です。

素直に適用すると「元本価格スライド法」(元本価格が上がれば賃料も上がり、元本価格が下がれば賃料も下がる)になってしまう訳ですが、元本価格の変動と、賃料の変動は完全にリンクしていない所が有り、特に元本価格の変動が著しい場合に常識的では無い結論が導かれることの多い手法です。

文責:碓井敬三

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